マンガ「かくかくしかじか。」

2015年のマンガ大賞を受賞したこの作品。

ママはテンパリスト』や『海月姫』や『主に泣いてます』等、ヒット作を連発してる東村アキコ先生の作品です。

前述した作品を過去に読んだことがあり、ギャグマンガが面白い漫画家さんであるという印象が強く、元から大好きな漫画家さんでした。

そこで今回の作品も、きっと同じテイストなんだろうなぁと思い、購入して読み始めました。

ただ、今回のこの作品、表紙の絵にまず「おふざけ」がない。

全5巻、キレイな花々の絵と登場人物の絵が描かれており、どことなく今までの作品とは一線を画すような表紙でした。

読み始めると、東村先生の自伝エッセイ漫画であることがわかりました。

宮崎県に住む自信満々の高校生時代に出会った絵画教室の先生との関係を描いているこの作品。

大人になって漫画家として成功するまでの話です。

今までとは明らかに違いました。

この漫画のスゴイところは、笑えて面白いと思えるシーンの直後に、若い時に誰しもがやってしまう、いわゆる「イタイ」行動に心苦しくなるシーンが描かれていたりするのに、違和感なく思わず読んでしまうところです。

東村先生の若さゆえの行動に思わず共感してしまったり、自分にもそんな「イタイ」時代があったなぁとノスタルジーな気持ちになったり、読みながら心が揺さぶられてしまうのです。